BtoB(特に製造業向け)のマーケティングにとって欠くことのできない手段の一つに展示会があります。
先週は、ものづくりワールド名古屋(2024年4月10〜12日@ポートメッセ名古屋)を視察してきました。これまで出展社の立場で参加していたイベントに来場者として参加して気付いたことがいくつかあります。
大きな変化は、ものづくりの展示会にモノを展示しない会社の出展が増えていることでしょう。ものづくりワールド全体に占める「製造業DX展」のスペースが年々拡大していることがそれを示しています。製造業においてDXに取り組む機運の高まりもあると思いますが、リアルの展示会が製造業の見込み顧客に出会うために必要であるとの認識がSaaS企業にも定着してきたように感じます。
以前オートデスクで実施したリサーチによると、製造業では主たる情報収集手段として展示会をあげる人の割合がコロナを経ても3割以上存在すると判っています。コロナ禍を経てマーケティングのデジタルシフトは急速に進みましたが、同時にデジタルだけでは不十分ということも明らかになりました。デジタルマーケティングを活用し業績を拡大してきたクラウド/SaaS企業もデジタルだけではつながることが難しい製造業の見込み顧客にアクセスするための展示会活用が広がってきたようです。
製造業へのアンケート結果(アペルザ市場調査 2020年)によると40%が具体的な商談を目的として展示会に参加しており、「現物確認」と合わせると、オンライン展示会では満たせないリアル展示会ならではのニーズは確実が存在するといえます。
最近、展示会で名刺の数は予定通り集められるが、充分なリード数が確保できないいう声を良く聞きます。来場者が展示会場での商談や詳しい説明を期待しているのに、出展社が来場者のバーコードを集めることに注力してお客様との双方的な対応をおろそかにしていることで、商談の機会をみすみす逃しているのかもしれません。
RX Japanのような展示会主催者は、昔から展示会を商談の場と位置付けており、ブース内に商談スペースを設けることや、事前に来場者と商談のアポをとる事を推奨してきました。しかしその現実は、多くの企業が展示ブースをプレゼンテーション中心に設計し、ノベルティグッズとの交換で名刺情報を数多く入手することに力を入れているのが現実です。
展示会への出展がマーケティング主体で運営されている会社では、商談対応できる営業のスケジュール確保が難しいという声も聞きます。昨今注目が集まっているアカウントベースドマーケティングの場として展示会を活用するためには、今までとは違った展示会出展の方法論が求められます。ABM向けの展示会活用についてはまた別の記事にまとめます。
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